着物に白い粉のようなもの、黄色や茶色の斑点、強いカビ臭を見つけたら、まずほかの着物から離して状態を確認します。表面だけを拭き取っても、繊維や縫い代に菌や汚れが残っていることがあります。
カビが発生する原因
カビは、湿気、温度、栄養分がそろうと発生しやすくなります。着用時の汗や皮脂、食べこぼし、ほこりを残し、風通しの悪い場所に長く保管すると条件が重なります。
見た目で分かる変化
- 白や灰色の粉状・綿状の付着
- 黄色、茶色、黒色の点や輪ジミ
- 胴裏や縫い代の変色
- たとう紙の斑点や波打ち
- 湿った土のような臭い
古い黄変や接着剤の変色がカビに見えることもあります。見た目だけで決めず、臭いと発生範囲も確認します。
してはいけないこと
- 濡れた布で強くこする
- 家庭用漂白剤を付ける
- 消毒用アルコールや除菌スプレーを直接吹く
- ドライヤーの熱を近くから当てる
- ほかの着物と一緒に密閉する
擦ると生地表面が毛羽立ち、色が抜けることがあります。薬剤は染料、金彩、箔、接着剤に影響するため、目立たない場所でも安易に試さない方が安全です。
応急的にできること
乾燥した日に、ほかの衣類から離して陰干しし、状態を写真に残します。粉が舞うほど広がっている場合は、室内で強くはたかず、マスクを着用して扱います。
着物だけでなく、たとう紙、箪笥、同じ引き出しの衣類も確認します。
処置は一律ではない
表面の軽い白カビ、地色に食い込んだ変色、裏地から広がったカビでは必要な作業が異なります。丸洗いだけで臭いが軽くなる場合もありますが、変色は染み抜きや色補正が必要になることがあります。
再発を防ぐ保管
処置後も収納場所が湿ったままでは再発します。部屋の換気、除湿、たとう紙の交換、定期点検を行います。防虫剤はカビ予防の薬ではありません。
着物を長く保管する基本も参考にしてください。
まとめ
着物のカビは、こすって見えなくするより、発生範囲と変色の有無を確認することが先です。家庭用薬剤は使わず、乾燥させて隔離し、素材と状態に合う処置を選びましょう。
